このブログでは社会人学生として過ごしている日々や関連の研究のこと等について書こうと思いますが,現在博士論文に着手しはじめたところです。したがって入学に至る経緯や調査,解析,査読論文を通すことに至る経緯については過去の出来事として書くことになります。時系列順でない投稿になりますが,ご容赦ください。
現在,博士論文の骨子となる部分を作成しています。
そこで気づいたことや考えたことを書き記します。
現在の進捗状況
本文の骨子を作り始めていますが,当初の予定よりも遅れつつあります。
その原因は,僕が論理的に展開することができていないからです。
骨子を作る作業を先に持ってきている理由については,他の皆さんもそうだと思いますが,博士論文の骨格となる部分が決まっていないと,本文を論理的に展開することができないからです。
博士論文の特徴
博士論文は,査読に通った論文に基づいて作成します。
博士論文の審査は,課程博士と論文博士とがあります。課程博士で審査を受ける条件は以下の通りです。
- 一定期間,在学していること
- 単位を取得済みであること
- 学会誌に掲載された論文が2本(大学によっては3本だったり1本でよかったり)あること
したがって,博士論文の草稿を始める段階では,方法や結果の部分が先にできている状態になります。
全体を通して,論理的に記述することができてなければいけません。
ストーリー性が大事です。
論理的に書くこと
僕は,今までの査読論文の審査の中で,論理の飛躍を起こしていると指摘されました。その理由がわかりました。今まで,一つの論文から一般的なことを捉えようとしていたのです。それでは,自分の印象で見ることになってしまいます。
粒に例えると,一つの粒から全体を見ようとしていたのです。それでは,キャンバスに絵を描くことはできません。その粒が,どのくらいの大きさで,どこの位置にあった,何色の粒なのかということがわからないと,全体を見ることはできないのです。
したがって,論文でも必要な事実を具体的に記述することが求められます。論文から得られる情報の大きさといったようなものも意識しなければなりません。
あいまいな文章を明確にする
文章の書き方もあると思います。僕は主語を省略したり,「~のような」というあいまいな括りをしたりすることがよくあります。自分がしゃべっていることを録音して聞いていても,けっこうあいまいな言い回しをしていることがあります。後で聞くと,誤解を招くような言い方をしていることに気づきました。
だから,今は「これ」「そのような」といった指し示す対象があいまいな言葉を用いないようにしています。
既往研究を見ていると,意外と「そのような」という言い回しが使われています(それも,本当は良くないでしょう)。データを示さず,急に議論を始めている論文もあり,「どこのデータをみてこれが言えるのか?」と疑問に思ったこともあります。
要は,自分もどのデータをもって話をしているのかわかる展開を考えなければいけないのです。
自分の考えを批判的に観察する
博士論文の骨子を考えることを通して,僕はけっこう思い込みが激しいなと思いました。
自分はこうだと思っていることに対しても,なぜそのように考えるのか?それは真実なのだろうか。
と考えてみることが必要だなと強く感じました。
違う話が混ざっていると,誤解が起きます。言いたいことが一つの段落にまとまっているか,違う話が混ざっていないかを考えることも必要です。
まとめ
現在のところ,このようなことが必要だと思っています。
- パズルのように論理展開を考え,後で見たときにそれがストーリーとして成り立っているかを見る
- 根拠を示したうえでの議論の展開
- あいまいな表現は使わない
- 既往研究の方法,データの範囲など,議論に必要な情報を示す
- 自分の考えを批判的に捉える
とても時間がかかっています。
それも,的を得たことを自分がしていないからでしょう。
まだまだ苦戦中ですが,ご指導いただいて初めて気が付いたことも多々ありました。
これらの気づきは,今後の自分にとって非常に重要だと思っています。
頑張ります。
以上,博士論文の骨格を考えているという近況でした。