野良イモリ博士のblog

社会人学生野良イモリが大学のことや考えていることを発信します。

博士号取得後の社会人学生のキャリアパス

 

 今回は自分のお話もします。

 博士号取得後のキャリアパスについて。

 博士課程に進学することはいばらの道とか言われます。

 

一般学生と社会人学生の違い

 そもそも,なぜ社会人学生になるのか。この疑問には,以下の記事も参考になると思います。

 博士課程に進学する際,考えなければならないことがあります。

  1. 博士論文研究が本当にできるか
  2. 博士課程在学中の学費や生活費をどうするか
  3. 収入をどうやって得るか
  4. 博士号取得後どうするか

  例えば,それまでの学校段階で奨学金を借りていると,それ以上借りづらい状況があると思います。かといって就業できるほどの余裕はありません。さらに,博士課程の場合,修了する人の割合が入学者の75%(修了者。満期退学者は除く)というデータからわかるように,入学後の不確定要素が多いのが実情です。これらの問題点は,社会人学生であれば心配する必要がなくなります。なぜなら,収入を得ており,就業もしているからです。

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  ただし,進路については状況が変わってきます。

 一般学生の場合,おそらく修了時の年齢が27歳~30歳前後だと思いますので,その次に考える進路は必然的に研究職になることが多いかと思います。一方,社会人学生は入学のタイミングが人によって異なると思いますが,30歳代になってからが多いようです。20代で社会人学生として入学する人はあまりいないようです。修了時の年齢も違えば経歴も違うので,その後の進路も変わってくるかと思います。

 

どんな進路が想定できるか

 社会人学生をする場合の,博士号取得後の進路は,

  • 在学時の職場にそのまま留まる
  • 研究職に転職する
  • 実務家教員的立場になる

 こんなところでしょうか。

 社会人の場合,職歴があるので,仕事の内容が博士論文テーマ選びやその研究内容に影響を与えることはあると思いますが,職歴は研究歴とは違うのであくまでも研究者としての実績を積まなければなりません。おそらく,多くの場合は研究を続けたいと思うことになると思います。在学時の職場が研究職であれば,問題ないでしょう。このような場合は,学費も会社が出しているということもあるようです。一方,研究職でない職業なのであれば,現状維持をするか,研究職に行くのかということになります。実務家教員というのは呼ばれないと難しいのではないでしょうか。在学時の職業が安定している場合は,研究のためとはいえそこから離れるという決断を下すのはかなりの勇気がいると思います。

 

なぜ進学したか(するか)に遡る

 僕は,博士課程に進学する目的は持っていましたが,その後のことはあまり考慮していませんでした。勿論,全くなかったわけではありません。しかし,鮮明でなかったことは事実です。ここは,早い段階で鮮明にしたほうがいいと思いました。目標が決まれば,それに向けた自分の努力の方向も決まってくるからです。

 僕は研究がしたいから博士課程に進学しました。それは,修士課程終了後,研究ができない状況にもどかしさを感じたからです。社会的立場,時間的なこと等の理由で,博士課程修了後(=学位取得後),再び研究ができない状況に戻ると考えられます。そうすると,博士号を持っているだけの状態になります。これでは,進学をした理由が殺されてしまいます。

 だから,僕は基本的に現状維持という選択肢を取ることは進学した意義を失う行為であり,将来にわたって後悔を伴う選択肢だと思っています。お断りしておくと,現在の仕事に不満があるのではありません。方向性が変わってきたという感じです。したがって,ステップアップのための離職をしたいと思っています。

 

リスクヘッジをとる

 そうはいっても現状の職業がかなり安定した職業である以上は,離れることは相当なリスクを伴う。だから,リスクヘッジをとっておく必要があります。

 基本的な方向性として,研究のための時間が欲しいですので,非常勤等の仕事をすることが前提になってくるかなと思っています。どこかの組織に所属がないと競争的資金を得ることもできませんので,研究員という立場にはなりたいなと思うところですが,そこが最も難しいかもしれません。

 研究で稼げるのが最も良いですが,収入源になりにくいと仮に考えた場合,収入源は非常勤の職になるかと思います。僕の場合,占いができますので,占い師として活動することもありかもしれません。しかしこれも,すぐ稼げるようになるほど甘いものでないこともわかっています。

 最悪の場合,現在の職業に戻ってくるという選択を取ります。資格がありますので,そういうことも可能です。現状を続けた場合よりは収入は落ちますが,それでも現状とさして変わらないレベルにまでは戻すことができます。

 リスクにはなりますが,リスクを取らないとリターンを得ることもできません。

 

もっと詳しく考えることが必要

 とても重要な決断になるので,いろんな方に相談し,僕も自分自身の将来像を鮮明にしたうえで,慎重に動かないといけません。現状は博士号が取れそうだという段階であり,どの分野の研究者を目指すかということを含めてまだ不透明なところがあります(分野選びはとても重要です 職がない分野と職が多い分野とがあります)。

 いろいろアドバイスをいただければと思う次第です。悩んでいるだけでは変わらないので,こちらから動いていこうと思っています。