先週は仕事の方がなかなかハードなスケジュールで,疲れ果ててしまいました。
加えて,昨日にも予定が入ったので,かなり疲労しています。
今回は社会人学生を検討されている方に,社会人学生をどういった形でやっていくかについて書こうと思います。
結論から言いますが働きながらの在学は可能です。
もっか勤務時間や仕事量との相談になります。
社会人学生のメリットは経済的安定性です。そして,就業の不安を回避できることです。デメリットは,時間がないこと,忙しいことです。
長期履修学生制度
社会人の場合は,長期履修学生制度を利用することができます。
これは,入学した時点で,在学する予定の年数を標準修業年限よりも延ばすことができる制度です。留年とは違って,在学予定期間を延ばしても,支払う学費の総額は修士であれば2年,博士であれば3年(専攻によっては4年)間の学費のみで済みます。
各年に支払う学費=標準修業年限の年数までの学費÷修業予定年数
ただし,長期履修期間を短縮する場合はややこしいです。例えば5年計画で在学する予定で申請した後,早めに4年で修了できる見込みが立った場合,在学年数を短縮する手続きを取ります。したがって,審査の基準がやや難しくなる場合があります。単純に伸ばせばよいというものではありません。
申請は入学時のみなので,何年計画にするかという相談を含めて,入学前に先生と相談しておく必要があります。
行く学校の種類による違い
大学院(修士)
通常の修業年限は2年。その倍の4年まで通うことができる場合が多いです。
修士課程の場合は,授業がある程度あります。通常の場合ですと,30単位ほど取得すべき単位があるのですが,そのほとんどをM1で取得します。
社会人を迎えている大学院の場合は夜間にも授業が一部開講されていることがありますが,すべてとは限りません。授業のために通学する場合があるということを想定する必要があります。単位をどれだけ取れそうかによって,何年計画で通うかを決める必要があります。
研究については,修士で研究が重すぎて修了できなかったという話を僕は聞いたことがありません。
大学院(博士)
標準修業年限は3年,医薬系は4年。在学可能期間はその倍の6年(医薬系は8年)ですが,その限りでない場合もあります。
授業は少しありますがほとんど存在しないので問題にはならないと思います。研究成果を出せばよいので,ある意味修士課程よりはフレキシブルな在学ができます。
ただし,オリジナリティを出し,かつ査読論文を複数通さないと学位が取れませんので,研究成果を出すことに関してはかなりシビアで,修了できずに終わる人も本当の話います。
大学院(専門職学位課程)
修士課程がベースで,修士課程とは違って修論研究が存在しないものの,取得すべき単位数が多いです。単純に,授業にどれだけ通えるかといった話になってきます。
仕事はどうする?
仕事をしたまま在学する場合
収入面の問題はありません。ただし,時間的な問題が発生してきます。仕事に閑散期と繁忙期があると思いますが,大学のほうと忙しい時期が重なる場合があるので,そういう場合はしんどいです。
僕の場合,この形態をとりました。今から思うと,よくもまああの鬼のようなスケジュールをやりきったなあと心底感心しますが,意外とやりきれるなあとも思いました。
職場の理解も欠かせません。社会人学生だろうが何だろうが関係ない!といったスタンスの上司のもとでは,仕事も大学院も共倒れということになりかねません。ただ,あまり影響を出せないのも事実なので難しいところです。仕事量との関係やスケジュールのブッキング,時間のなさに悩むことになります。
転職する場合
これはほかの社会人学生の方のブログで見たことがあるのですが,転職したがゆえに,転職先の環境になれるのに時間がかかったという場合もあるようです。転職先でうまくいくという保証はありません。しかし,転職先の方が労働条件や研究との関連を考慮した場合に条件が良くなる場合は,転職を考えることもありなのかなと思っています。
少なくとも,学位を取得するとやはりその後,学位をどう生かしていこうという発想になっていくので,どっちみち転職はいずれ考えるものだと思っています。だから,転職の先取りと考えれば,ある意味良い選択肢なのかもしれません。ただ,研究との関係は考慮に入れた方が良いと思います。転職の乱発にもなりかねませんから。
休職する場合
これは,副業がどの程度認められるのかが重要です。
社会的立場はそのままで,仕事をしない=給料は入らないという形態が休職ですから,当然ながら社会保険料等はひかれ続ける,つまり給与明細をマイナスでもらうのです。生活費はかかり続けますから,貯金を切り崩さざるを得ないです。そこに学費もかかるんですから,相当なマイナスです。加えて,前年の収入は多いわけなので,学費免除も通りません(少なくとも初年度は)。休職もあまりしすぎると分限免職になりますからその点も要注意です。公務員の場合は自己啓発等休業,大学院修学休業といった休職制度がありますが,収支のバランスを考慮の上で選択する必要があります。副業は禁止されている場合が多いと思いますから,そこも要相談です。僕の場合は,代員の確保に困るなどの理由で拒否され続けました。難しいです。
ただ休職してしまえば時間が確保できるので楽にはなると思います。
退職する場合
休職とは違ってTAやRA,アルバイト等ができますから,短期的には休職するよりは経済的負担が軽い選択肢です。
しかし,大学院を出た後の生き方も考慮の上で退職しないと,その後が大変だと思います。加えて,リスクマネージメントが重要だと思います。時間的都合はつけやすいですが,社会人学生のメリットが,職を確保する必要がないところにある以上,退職することはそのメリットを捨てる選択肢になるので,ストレートの学生が感じるような就業の不安と向き合いながら通学するような感じになると思います。年齢的なことも考えた方が良いです。そこをどう考えるかです。
なお,完全な無職だと上記の長期履修学生制度は使えませんのでご注意ください。
働きながら大学に行くことそのものがある意味無理があることです。2人分のことを1人でしようとしていることに等しいのです。無理がどこかには必ず出るので,それを肉体的な疲労,時間的なことに出すのか,それとも金銭的なことに出すのかという選択になるのだと思います。