野良イモリ博士のblog

社会人学生野良イモリが大学のことや考えていることを発信します。

【博士号が取れる】社会人でも,大学院で博士号を取得できる人の条件

 ストレートで博士課程に進もうにも,ストレートで進学することそのものにも不安が残る博士課程。そこで出てくる選択肢が社会人学生だと思います。しかし,社会人をしていて時間もないし忙しいのに,本当に大学院なんて行けるのか。ましてや博士号なんて・・・と思っている方は多いのではないでしょうか。不安になりながらも,博士課程の情報が少なく,難しい,難易度が高いといっても,どの程度の難易度なのかもわからない・・・それが余計に不安に思う要因だと思います。

 そこで今回は,社会人でも大学院で博士号を取得するための秘訣についてお話ししようと思います。

 本記事を読むことで,少しでも社会人学生で大学院に通い,博士号を取得する不安を解消していただきたいと思います。

 今回はこんな流れでお伝えします。

博士号を取得できる方法

 結論から言いますが,博士号を取得するために必要なことはこれだと思っています。

  1. 人生設計上,あるいは目標を達成するうえで,博士号が必要である
  2. 自分とレベルの近しい仲間がいる

 僕の身の周りで博士号を取得している方を見る限りでは,博士号を取得した人はこれらの条件を満たしている方が多いなと思いました。

博士号の難易度は高い

 博士号のレベルは高いです。たとえるなら,以下のような感じです。

  • 学士号:★☆☆☆☆
  • 修士号:★★☆☆☆
  • 博士号:★★★★★

 修士論文と博士論文の違いというお話を以前しました。


修士論文と博士論文の違い 博士論文はレベルが高い【大学院】

 まとめますと,

  • 査読論文を通さなければならない(概ね2本程度)
  • 新奇性のあるテーマでなければならない
  • 論理的に説明できなければ審査を通れない

このような感じです。

 査読に通る論文を作ろうと思えば,それ相応に課題設定や方法の設定が非常に重要になってきます。また,どのような解析をするのか,計画性も重要です。査読も簡単ではありません。それに,1度の査読に半年はかかるので,リジェクトされると,普通にスケジュールが半年伸びたりします。既定の3年で査読論文を2本通そうと思うとなかなか難しいのがお分かりいただけるかと思います。

条件1:博士号が必要である

 人生設計上,あるいは自分が設定する目標を達成する過程で博士号がどうしても必要な人は,大変であっても,よほどの状況にならない限りは,博士号をあきらめません。だからこそ,困難な状況でも乗り切っていくことができます。

 博士課程に進む人は,その分野の研究をすることが目標に置かれている人が多いです。研究をするためには,研究職に就く必要があります。そのために,博士号が欠かせません。博士号を取得しないことは,夢をあきらめることに等しいです。だからこそ,諦めないし,普通では積むことができないと思うような努力を重ねることができます。それが結果的に,博士号取得を可能にします。

 そういう人の場合,年限が3年を超えても,遠い未来の目標が明確に存在するので,たとえ2,3年延びたとしても諦めるという選択肢が出てきません。

 社会人として博士課程に通いたい,と思っている方も,そうではないでしょうか。

 逆に言うと,なんとなく,というレベルでは達成しづらいと思います。挫折しそうなタイミングは必ず来ます。

条件2:レベルの近い仲間がいる

 同級生でも先輩でもいいのですが,要は自分からかけ離れたレベルの人ではない,近しい人の中に,同じような状況にいる仲間がいる,あるいは少し先を進んでいる仲間がいることです。

 挫折しそうなタイミングは何度か来ますが,仲間がいることで「この人も,この時大変そうだったな。でも,今,あの人はここまで進んでるな。だから自分も,頑張ろう!」と思うことができるからです。しんどい状況に接しても,みんな通る道なんだ,自分だけじゃないんだ,と思えば,乗り越えようとすることができます。

 通信制大学は挫折率が通学制よりも高いです。それは,仲間の姿が見えない(いない)ことにあるといわれます。仲間がいるからこそ,大変なことがあっても持続しようと考えることができます。

僕も挫折しそうなタイミングは何度もありました

 僕は去年に博士号を取得しましたが,もちろん,諦めそうになるタイミングは何度もありました。過労にもなっています。特に,査読に通らなかったときなんかは,自分のしたことが全否定されているような気分にもなります。自分には無理なのかな・・・と思うこともあります。それでもあきらめずにここまで来れたのは,先に博士号を取得していった先輩や,すでに博士号を取得していた同級生の存在があったからです。あの人もこの時こうだったな・・・よし,自分も!といった感じで,その人たちの存在が,頑張ろうと思う動機づけになりました。

 それに,そもそも自分には研究をして,確からしい情報を発信していきたいという目標があったので,博士号を簡単にあきらめるという考えには至りませんでした。むしろ逆で,どうやったら取れるだろうかとずっと思ってきました。

 博士号取得後は,僕が特別な人だから取得できたんじゃないかと言われるようになりました。しかし,そんなことはありません。特段知識が豊富なわけでもないし,僕よりもすごい人なんて探せばいくらでもいます。それでも僕が博士号を取得できたのは,いわばあきらめない条件が揃っていたからに他なりません。

この条件を整えれば,諦めにくい

 今回挙げた2つの条件は,博士号の取得を狙ううえでかなり重要です。これらを意識するだけでも,博士号がより現実のものになってくると思います。