コロナウイルス感染症の対応がものすごいことになってきました。1月前は,考えがかなり甘かったかもしれません。
今週は新学期が始まる中,緊急事態宣言が出され,コロナウイルス未感染が岩手の1県を残すのみとなりました。その岩手は,全国で最も検査数が少ないらしいです。それって実際には感染者が既にいるけど検査してないからわかってないだけなんちゃうん?と思ってしまいました。
個人的には,検査しないのではなく検査できない状況かなと思いました。日本の検査能力はかなり落ちているのではないか・・・と思っています。先進国という看板もボロボロになってきたかという思いです。
このコロナ騒動が起きてから,感じていることがあります。
こういう非常事態になってくると,理想などと言っていられなくなるということです。
理想論
現在,全国至るところの小中高校,大学が休校になっています。
職員が出勤停止になっているところもあります。
こんな状況下で,通常は授業,単位認定,学位審査は難しいです。
理想的には,コロナウイルス感染症対策で休校状態になっていたとしてもインターネット上で授業を行い,単位認定もし,学位審査もWeb上のやり取りをする,そしてこの事態が収束に向かうと同時に,年度内にスムーズに再開,万が一年度内に収束できなくても,配慮する経過措置を取るというのが理想です。
現実論
でも,そんなこと可能でしょうか?
講義科目の単位認定はなんとかできるかもしれませんが,実験や実習科目はどうしようもないでしょう。調査等も難しいです。そうなると,卒業そのものが怪しくなってくる人が必ず出てくるはずです。
僕自身の話をすると,このままでは学位審査が進まないと思っています。
僕自身が大学に出向くことができない。大学も緊急事態宣言を受けておそらく教職員が自宅勤務のような状態になっている。緊急事態宣言はとりあえず5月までですが,この環境はいつまで続くかわからない。むしろ,良くなるとは思えません。
残り年限と年齢
在学残り年限もあります。例えば2020年という年は,たった一回しかやってきません。その年に最終年度を迎える人は,もう後戻りが効かないのです。大学が仮に異例の学費なし留年対応などを行い,留年などすれば延ばすことを可能とする措置を取れば良いでしょうが,実体経済は停止状態です。ここまで経済が落ち込んでしまうと,経営の状態も心配です。切り捨てざるを得ない状況にもなるでしょう。
そして,仮に異例の対応が行われたとしても,個人としては年齢を重ねるという事実は残るわけです。その時を取り返すことはできません。もちろん,この状況下で社会に出るのが良いかどうかという評価もせねばならないと思います。今回のコロナショックは,そのくらい事態が重いです。
理想などとは言ってられない
先ほど,文部科学省が「自宅で学習して定着していれば学習したとみなす」という異例の措置を取ると発表しました。通常の文部科学省なら考えられない事態です。もう,ここまでくると2020年度という年度を通常に終えることは不可能と判断したということでしょうか。奇しくも,2019年度の3月分もあるわけですから。改訂した学習指導要領の最初の年度にこうなるとは。取り返しなど,不可能でしょう。これまで,冬休みも限界に近いほど切ってきましたし。
これらは事実上,できない(できていない)人に対する切り捨てになります。しかし他に取る方法がありません。取り返してほしいといっても,取り返す行為自体ができません。戦時中は大学等をあきらめざるを得なかった人も多々います。その時のように,あきらめざるを得ない人が出てくるのは必至だと思います。
すごい借金を抱えている方,夢をかなえられないことが決定してしまった方,たくさんおられますが,自分はどうもそれが博士号に出るのではないかと思っています。
事態が早く収束することを願うばかりです。
2020年という年がこんな年になると,誰が予想できたでしょう。