野良イモリ博士のblog

社会人学生野良イモリが大学のことや考えていることを発信します。

博士課程生活を振り返る1 なぜ博士課程?

こんばんは,野良イモリです。

社会人学生関連ネタはアメブロのほうにほとんど書いています。途中でこちらに切り離したような恰好です。

これまでのことは,過去記事をそのまま載せるより振り返りとして載せたほうが良いだろうと思い,このようなシリーズものにします。

 大学3回生のころ

遡ると,学部3回生の時になります。僕は,当初修士課程の進学すら考えていませんでした。

先輩から,社会に出てしまうと学ぶ時間なんかほしくてもなくなるから,少しでもしたいと思うことがあるなら,大学院に行った方がいいということを言われました。それを機に,大学院(修士課程)への進学を考え始めました。

 

卒論・修論

卒論・修論では,僕は学校ビオトープをテーマにしていました。当時は,生物調査とアンケート,そして学校へのヒアリングを行っていました。量的調査と質的調査を両方していたようなイメージです。

当時深めていく中で感じたのは,学校ビオトープというもの一つとってみて,関心がありながらもどうしていいかわからない,かといって知識を入れるような余裕もない状況があったのです。

そこで,自分は最新の知見や情報を発信していける立場の人間になりたいと思うようになりました。ただ,修士のレベルでそこへ到達するには,明らかにレベルが足りていませんでした。

 

先生からの誘い

修士の1回生のころ,ある日先生から「博士を考えてみたらどうや?あんたなら行けると思う」と言われました。

それまで博士課程という選択肢は全く考えていませんでした。それで当初はスルーしていましたが,何度も声をかけられるので,真剣に考えるようになりました。

ただ当時借りていた奨学金(という名前の借金)のこと,博士課程に行くと進路の選択肢が狭まること,当時の自分は博士論文研究のテーマを思いついていなかったこと(道すじが立てられなかった)等,障壁が多かったのです。研究室訪問もしましたが,修士と博士で大学が違う時点で不利であり,査読論文を出すことを踏まえて考えると厳しいスケジュールになることが目に見えていて,それをやりきれる気がしませんでした。

先生からは「お金のことならなんとかなるもんやから,心配しすぎんほうがいい」「自分も40なるまで定職つけんかったから」等,いろいろアドバイスを貰っていました。「僕の成績のために博士課程を勧めてるんじゃないから安心してな」とまで言われていたので,先生も本気だったのだと思います。

結局,あまり年齢を重ねないうち,教員になってから数年後に社会人学生として博士課程に入学しようということを決めました。

そういうわけで,博士課程への入学は先生の誘いがあった

 

社会人になって

1年目,2年目などは余裕がありませんでした。なので博士課程のことを忘れようとしていた時期もあります。しかし未練がどこかにありました。国立国会図書館から論文は取り寄せていて,論文を読むようなことはしていましたが,論文を読むだけでは研究能力は身に着けることができません。かといって,動きだすほどのエネルギーはありませんでした。

しかし決定的なことが起きます。自分がしていたことを,その次の年度にひっくり返されてしまったのです。人の価値観一つでここまで覆されるものかと思いました。ただ,説得するだけの情報を当時の僕は持っていませんでした。自分が情報を発信しても,流れるどころか反撃が来るくらいの勢いがありました。そんな現実を目の当たりにして,誰にも覆せないような客観的なデータをもって発信し,大切さを伝えていきたいと再び思うようになったのです。それが,博士課程の門をたたくきっかけになりました。

 

なぜ博士課程なのか

修士課程にもう一度入るという選択肢もありました。しかし,修士課程では客観的な思考力が頭打ちし,発信力を高めることにはつながらないと思っていました。

僕は得た知識を貯めがちです。それを活用するとか発信するとかいうことに対してはかなり不器用なところがあります。したがって,得た知識をぽんぽんと活用する能力のある方は心底すごいと思いました。僕にはできません。

僕の場合は,自分が持っている情報の質を高めないと,発信するというところまで到達しないと思ったのです。

通常は,得た知識を活用する際には,知識を既存のものに回すとか,ある程度その形を変えるとかいうことをするものだと思います。僕の場合は,自分の持っている情報を出す対象としてはマイナーなものをメジャー化する,そして情報そのものを活用できる形にするというイメージで考えています。したがって,かなり極限まで上げた情報が必要なのです。

 

それだけの情報を発信できる立場の人間になろうとしたら,修士号では足らないのは目に見えています。だから,学問の頂点である博士号を狙うことにしたのです。

 

書いていて思ったこと

僕が得てきた環境や自分が経験してきたことは,かなり特殊だと思います。

おそらく,凡人の域は出ているのだと思います。

ほかの方と比べ,能力が見劣りするようなことも感じてきました。

しかし,少なくともこれだけのことをしてきたのだから,そんな努力をしてきた自分を評価しなければならないし,その努力を泡にすることのないよう,今後の動きを考えていかなければならないと思った次第です。