僕が言うまでもない有名な話だと思いますが,博士号取得者のその後の生き方って,なかなか一筋縄ではいきません。それは自分も例外ではありません。僕自身は,今の状態を続けるだけでは,難しいと思っています。
こんな順でお話をします。
厳しい現状
実績とポストのジレンマ
博士号を取得した後,普通は研究者を目指すと思いますが,簡単に研究者になれる状況ではないと僕は思っています。少なくとも,研究者が安定しているとは決して言い難い状況です。研究者になるには実績を積むことが必要なのですが,その実績を積むための環境として研究職に就く,ということが難しいです。おかしな状況になっていると思います。
そんな中で研究をしたいと思えば,自力で生きていくのがいいのかな?と思っています。以前,博士号取得者の話を聞いたことがありました。
稼ぎ方
お金の稼ぎ方には様々なものがあります。
- 雇われの身分
- 自営業者
- 経営者
- 投資
研究者というのは多くは雇われの身分です。それが失われてきているとなると,収入を別で考えるしかありません。研究そのもので稼げるような状況でもないので,収入を別口で確保しつつ,傍らで研究する,という生き方しか残らないのかなと思っています。
研究者として生きない方が稼げる
研究者になろうとすると不安定ですが,普通に研究をしない生き方の方がお金は稼げます。したがって,経済的なことだけでいえば,博士課程に進む生き方は非能率的な生き方ということになります。もちろん,それがいいとは思いません。
支援金は頼れない
博士号取得者が減っているということで,博士課程の学生に支援金を出そうという話が出ています。しかし,博士課程に進むのに躊躇する理由はなにも在学中のお金の問題だけではなく,その後の進路にも大きな不安があることが原因にあります。在学時のお金がどうにかなれば大丈夫,というレベルの問題ではありません。
目標を忘れないこと
博士号取得者への世間の偏見等もあると思いますが,それを解消していく意味でも,実績を積んでいく(その前に,研究をしないと新たな知見も得られない)ことは重要です。
考えられる生き方は。
- 研究とほかのスキルをミックスさせることで,収入を得られるようにする
- 研究とは別で収入を確保する。
- 不安定な身分のまま研究を続け,安定的ポストを得るまで努力する
いずれかになると思われます。
先にご紹介した動画でお話ししている方の生き方にもありますが,自分の目的とするところは何なのかを考えることです。博士号を得ることを考えるほどですので,そこには何か目的があるはずです。その目的の実現のためには,どういう生き方が良いのか。純粋に,それを追求していくことが必要なのかなと考えています。そのような意味で,先の3つ目の選択肢になると,むしろ研究職を得ることそのものが目的になりそうな気もします。かといってほかの2つの生き方も簡単ではありませんが,生き方を追求していく方法も,一つの方法なのかもしれません。